告げる声

 

天空からの声に心震わせて

終程を告げる雨に肌をぬらした

 

降る雨に口を空け

天からの水を飲む

その稚魚の目に映る

磁石の像にからまった蔓

血塗られた裸体の下

人食い花は涎を垂らし

横になる僕の手が

架空仮想の星座なぞる時

 

告げる声    告げる雨

 

なぜに僕は独り?

生き疲れ虫を静かに見よお

無神経に過ぎた煙色の風は

全てを笑い深海に消ゆ

 

告げる声    告げる雨

 

科学ビンから生まれて

未来映像を写して

過去の映像を写して

汚れた種を残す

 

ヒビ割れた甲羅から

月が出てウジが出て

消えてゆく・・・・・

 

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