COCK ROACHでの10年間を振り返り・・・

終わったというよりも、たどり着いたという感じです。
今思えば、1stアルバムの頃の僕は真っ黒でした 。
個人としての希望はまるで無く、バンドというものだけを唯、唯、せいいっぱい追い求める、それ以外は何も信じないひねくれ者でした。
人を信じず、命を信じず、生命を信じず、愛を信じず、目の前に見えるものも信 じられない人間でした。
大げさに聞こえるかもしれないけど、いつも考る事といえば『死』。
消滅、絶滅、そして無の賛美。この世の飾られた幻想を全て暴いてくれよう・・。
そんな事ばかり考えていました。
ライブを重ね、音源を世に出し、メンバーと哲学を交換していくうちにすこしづつ
自分が変わっていくのに気がつきました。
『少なくとも僕は生きようとしているのだ!』
こ れは自分の中での大発見でした。 薄れていた『死』に対する恐怖が脈々と再生し、『生』に対する執着が生まれ ました。この頃、皆でぶつかりながらも2ndアルバムを完成させ、全国をまわり ました。
このツアーが一番しんどかったーーーー。(苦笑)
このツアーを終えた時に、はじめて『解散』という言葉が頭をよぎりました。
メンバー全員が、しぼっても一滴の水も出ないほど疲れていました。
無期限の活動休止を決め、それぞれ自由になっていろいろな事に目を向けて みよう・・・・。
そして表現したい事がそれぞれに見つかったら、又集まればいい ・・・・。

1年経って、メンバーがスタジオに戻ってきました。
僕もメンバーもCOCKROACHから離れたこの1年でだいぶ変わりました。
戻ってきてくれたそれぞれがそれぞれに感謝し、もう一度このバンドができる 喜びをかみしめながら3rdアルバムの曲づくりに励みました。
『生』と『死』の双方認め、その根源にある『生命』そのものに向かう準備ができま した。
そして大自然に囲まれた丸太小屋のスタジオでレコーディングしました。
このアルバムが完成した時に、皆で流した涙は一生忘れません。

3作、10年間を通して、真っ黒だった自分に色彩 が生まれ、赤く燃え、青く澄み 、最後は真っ白になりました。
全く悔いの無い10年間でした。
何も信じなかった自分に、ひとつづつ信じられる大切なものが増えていきました。

最高のメンバー、最高のスタッフ、そして最高のファンに恵まれた10年間でした。
このバンドが完成できた事は、一生の誇りにしていきます。

みんなありがとう。


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